海賊戦隊ゴーカイジャー(終)

ずっと戦隊ヒーローたらんとしていた鎧が海賊といい、海賊であった宇宙人の面々が戦隊であるという。その果ての50話の「これが海賊戦隊だ」という名乗り。ディケイドの時もゴーカイジャーがはじまった時も、「こういう企画は(特に単独作品として縦糸を通そうとすると)どうしても歴代ヒーローが下位におかれる構造になってしまうのであまり好きではない」という事を書いたのですが、「ゴーカイジャーが歴代戦隊の末席に加わる(という意識を持つに至る)」という締め方だったので、その辺のひっかかりはおおむね解消され、非常に満足感のあるラストでした。5人がみな外部(宇宙人)設定だったからこその展開ですね。ひとり地球人である鎧は当然視聴者の姿でもあった訳で(50話でマーベラスが鎧の頭をぽんぽんとなでるのを見た時に「なんだか親子みたいだなあ」と思った)、彼の見せ場中心に組まれたラストも胸いっぱい。個人的には「スーパー戦隊になれなくても戦える」という少年の言葉を鎧に言わせて、鎧は地球に残ったほうがテーマ的に収まりが良かった気もするけれど…。


ゴーカイジャーはアクションも見ていて楽しかったです。多段変身の面白さは言うに及ばず、ゴーカイグリーンのアクションは異次元の面白さだったし、割と普段から生身の役者さんが闘うシーンも多くて。アイムなんてあの格好でよく動いたよ。彼女の場合、スカートや髪の毛がひらひらして、シルエット的な面白さもあった。ただ、ゴーカイジャーの人達に愛着が湧いてくると、ゴーカイジャーとして闘ってよーという気持ちも強くなって、多段変身とのバランスの難しさはずっと感じていました。最終回なんてまさに、多段変身の大盤振る舞いを堪能しつつも、最後なんだしゴーカイジャー自身が見たいよなーとも思ったり…


あと主題歌やキャラクターから感じるちょっとクィアな色、というのはどちらかというとサブ脚本家の回のほうが強かったような。個人の資質というより年代かなあ。思想とか理屈じゃなくて割と自然にそういう雰囲気になる感じ。その辺含めて、キャラクターや雰囲気は大大大好き!でした。おそらくデネブとかからちょっとおかん入ったようなキャラの試行錯誤がありつつ、やや別のラインで破格のキャラクターとして成立したハカセは歴史に残るキャラだよ!最高です!あと個人的にルカさんね!いままでの見てきた特撮女子の中でもうダントツに好き。二人の入れ替わり回(27話)のすばらしさは絶対に忘れない。本当に個人的でただただ卑近な事を言わせて貰うと、マーベラスの顔がとても好みだったのでそれ見てるだけで一年楽しかったという…((頬とかふっくらしててよく見ると童顔だよなー、とか。あとふとした瞬間に、これ小澤君本人はたぶんすごい好青年なんだろうなというのが垣間見えたりもしたのであった)


何せよ、ゴーカイジャーとしての縦糸をきちんと通した上で企画と両立させ、かつキャラクターも魅力的。企画を聞いた時には嫌な予感しかしなかったのに、予想は幸いにも裏切られ、51話それはそれは楽しく見られました!一年間本当にありがとうございました。