テレビ司会者の男女比(2018年10月期)

期限ギリギリではてなブログへ移転して最初に何書こうかと思ったのですが、twitterに投稿したもので残しておきたいものが一つあったのでその話をします。

 

性別役割分業の問題の一環として、テレビ番組の司会者(MC、キャスター)の男女比ってどうなっているんだろうと言う疑問は以前から持っていました。2018年の秋、ある番組のキャラクターの起用をきっかけに議論が起こっていたので、思い切って自分で調べてみることにしました。

 

NHKと、民放から一局…と思って日テレを選び、それぞれ一週間分です。オレンジが女性、緑が男性です。司会が複数いる場合は公式サイトの表記が先頭に来ている人物で色をつけました。※番組の詳細は長くなるのでリストを画像化したものを文末に置きました

 

NHK:2018年10月7日(日)〜10月13日(土)

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日テレ:2018年10月15日(月)〜21日(日)

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条件など補足

NHKと日テレで日曜スタートと月曜スタートという違いがあるのは単に我が家のレコーダーの容量上の問題が発生したためです。全録レコーダーを持ってる人が同じ週で全局調べるのが理想だと思います。民放から日テレを選んだのは前年の視聴率トップだったからです。

 
こういう調査の類はやり始めることで調査項目や問題設定の不備に気がつくもので、実際に色々気づいたことはあるんですが、今回は今後のたたき台として概観を出すこと、「番組の硬軟問わず司会扱いされている人選の男女差を出す」という当初の目論見の一点調査でやり抜く事にしました。

・クレジットは番組内テロップ、番組表、公式サイトを確認して、ズレがある場合は公式サイトを優先(ズレが生じている場合は、文末のリストの方で番組名の後ろに「※」をつけました)。番組コンセプトによって出演者の呼び方が異なる場合(番組が教室という体裁で、司会者が「先生」、出演者が「生徒」というような)もあり、録画した番組を見て「これ実質的な司会はこの人だな」と私が判断したものもあります。

 
・生放送の番組は長時間で時間帯によって出演者が丸ごと入れ替わる場合があり、そういう場合は分割して記録しました。部分的にでも女性メインの時間帯があればなと思った(のですが特に女性比率の向上に貢献はしなかったです)

・やり始めてから調査項目として思いついた事は、単独司会か複数か、タレントか局アナか、メインキャスターとアシスタントの性別の組み合わせ(同性か異性か)、報道/情報とバラエティ番組で傾向に率に違いはあるのか、といったようなことですね。また平均年齢や年齢構成にも男女差はありそうだなと思ったのですが、NHKのアナウンサー紹介のページに年齢がなかったので調べきれませんでした。

 

NHK『暮らし解説』は司会は女性なのですが、唯一のレギュラー出演者である司会者が毎回異なる解説委員を呼んで話を聞くスタイルです。この週の解説委員は全員男性でした。ので私の問題意識からするとやや微妙なところがありますね。あと日テレはこの週に夏休みを取ってるアナウンサーが何人かいて、レギュラーと違う顔ぶれになってる番組がいくつかあります。

 

 マツコ・デラックスは私の見聞きした範囲だと自分のことを「女装のゲイ」と説明しているので、男性に分類しています。違ってたら教えてください。
 

調べてみて気づいたこと

 NHKも大概褒められたものじゃないけど、日テレはほとんど壊滅的と表現するよりないのではないでしょうか。ZEROが有働さんになる前の9月にやっていたらもっと悲惨だったわけで。
 

 番組を見て気づいたのはファッションの違いですね。バラエティは多少ゆるいですが、基本的に男性はほぼスーツで堅めなのに比べて女性の服装の方がバラエティ豊かです。これを女性の方が自由度が高いとみるか、華やかさも求められるダブルバインドとみるか。メガネの着用率や茶髪にしているか、白髪を染めずにいるかなども性差があります。 

 

 NHK、日テレ問わず、報道/情報番組の男性キャスターでネクタイしてなかったのはNHKの松尾アナくらいじゃないでしょうか?以前の担当番組の時からそうでしたけど。どうして彼だけああいう服装なんだろう。本人がおしゃれなのだろうか。

 
 
  しかも日テレ、カレンダー表記の関係で金曜深夜の番組が土曜にきてるだけで、土曜と日曜も女性が司会やってる番組は10分のニュースしかないし。有働さんがNEWS ZEROに着任した直後だったのでこれでも女性比率が格段に上がったところですからね。
 

男性局アナ問題

 大局的に性差で見ると「女性に司会を任せている番組が少ない」という話になるのですが、「男性司会者」の内訳を見ると、男性アナが割を食っているように思いました。お笑い芸人が司会をやる機会が増えており、その場合の芸人は男性芸人で(関西だと司会をやれる女性芸人もそれなりにいるのでないかと思いますが。関東よりは)、男性司会のアシスタントは女性になることが多いので、まだ女性アナにはアシスタント的立場であってもレギュラーの仕事が発生します。

 

 バラエティ番組の司会は芸人が多い。一方で情報/報道は帯番組が多いので司会者になれる人の数が限られる。結果、男性の局アナは情報/報道の帯番組で司会をやれる一部の人とそれ以外に二極化している印象です。もちろんナレーションや、準レギュラーとしてロケ仕事、ラジオなど、アナウンサーは司会以外の仕事もはあるのですが…。

 

 アナウンサーの仕事のうちスポーツ実況って今でもほぼ男性のみですが、こういう状況では男性アナがメインで活躍できるジャンルが残されていないと厳しい面はあるなと思いました。現状、男性アナはスポーツ実況路線に配属された方が充実した局アナ人生が過ごせる可能性が高い。

 

 しかも情報や報道番組もタレントや芸人がやる機会が増えてますからね。男性アナのパイは小さくなる一方では…。自局のアナウンサー(特に男性)の育成の意味でも、テレビ局は番組の司会の担当を再考した方がいいんじゃないかと。

 

 番組名と司会者のリスト

 NHK

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日テレ

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