わたしの少女マンガ史


わたしの少女マンガ史―別マから花ゆめ、LaLaへ

わたしの少女マンガ史―別マから花ゆめ、LaLaへ


(少年誌〜)別マ〜白泉社起ち上げ〜花ゆめ〜ララ、と渡り歩いてきた編集者さんのお話。本文中でご自分で触れられていますが、少年マンガと違って、少女マンガ誌の編集者のかたの証言というのは珍しいですね。

自分の親世代が読んでいた漫画から、私が読んでた作家さんのデビュー〜活動初期くらいまでは関わっていたという事になる。すごいなあ…。特に私にとっての少女マンガ=白泉社といっても過言ではないくらいの読書傾向だったので、ああこれにはこういう経緯があったのかと感慨ひとしおでした。

この本の特徴は、24年組とは別の観点から少女マンガが語られているところ。どうしても少女マンガというと24年組を中心に語られてしまうので、それ以外の証言が少ないんですよね。ライバル誌でもあるし、そもそもストーリー重視、娯楽性重視というスタンスで、文学性・感性に依る所の大きい24年組の作風に否定的とは言わないまでも、違う路線の作品もあってもいいという意識で仕事をしてきたと。その結果生まれた作品について語っている。スケバン刑事ガラスの仮面が同時連載スタートなんて知りませんでした。すごい話だ。

それと雑誌としての魅力、雑誌としての面白さを追求せよと繰り返し主張されていて、自分ももっぱら単行本派なので少し耳が痛かったです。自力で新しい作品と出会う面白さとか、雑誌自体のダイナミズム、空気感、同時代性、など雑誌を読まないとつかみきれない部分は確かにある訳で。雑誌も数が多いわ細分化してるわで買うのが大変、とかこちらの言い分もあるんですが…