どこいくの、パパ?

どこ行くの、パパ?

どこ行くの、パパ?

フランスの有名なTVプロデューサーの子供が二人とも重度の障害児で…という事についての身辺雑記。
障害を乗り越えて頑張りました!みたいな調子ではまったくなく、淡々と子供達との日々が綴ってある。
障害をネタにしたブラックジョークがきつすぎて、読んでいてちょっと怯んでしまうくらいです(お手伝いさんが反応出来ずにかたまっているエピソードもある)。自分から言及してあったけれど、「こういう状況になってしまった自分を笑う(そうやって冗談にしないときつすぎる)」という面も確かでしょう。もともと皮肉屋なのもあるでしょう。この調子のブラックジョークを日々振りまかれたらちょっと受け止められる自信ないな大変だな…と思いました。
自分の身に起きた事とはいえ表現には気を遣わないといけない事柄でもあり、当人にとっても相反する感情が複雑に入り交じってもいて、おそろしく緊張感のある、綱渡りをするような文章で書いてある。と当時に、つらさも喜びも率直な感情が綴ってある、とも感じました。

読んだのは随分前なんですが、いまだに咀嚼しきれていないくて、胸にずしっと残っている。たぶんなにか綺麗に言い切れる類のお話でもない。私の人生において忘れがたい一冊、ずっと手元において時折読み返したい一冊、という感触があります。