「水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展」

銀座松屋にて開催中のゲゲゲ展行ってきました。初日に行ったんだけど混んでいました。中高年を中心に、大人ばかり。
コンセプトは水木入門編。もともとの水木ファンではなく、ゲゲゲの女房を見て水木しげるの興味を持った層向けという感じで。(実際、周囲の会話を聞いてるとそんな感じの人が多かった)。

内装が凝っていて楽しかった。入り口はいって真っ正面にバックベアードさまがどでんと居たり。蓄光で目々連が光ってたり、のれんかと思ったら一旦木綿だったり。、と見ると壁がぬりかべだったり。

実質的には原画展*1。カッパの三平、悪魔くん、鬼太郎。鬼太郎など数種類のバージョンが存在するものは、同じシーンを並べて展示してあっったりもして、段々ポップになってるのがよく分かって面白いです。貸本や古いマガジンなども展示してあったんだけど、ほとんど「個人蔵」なんだよねー。よく保存してあったものだ…。あとブロンズ像、水木先生やアシスタントさんたちの写真、年表、部屋の再現や私物の展示など。デパートの催事なのでそう点数は多くないけれど、混んでたのと割とじっくり見ていたので一時間ほどかかりました。

水木先生の生原稿、何回見ても丁寧ですごい。漫画家さんの生原稿って基本的にすごく綺麗で感動するんだけど、水木先生の場合はやはり自然描写が…。点描、木の幹、草原、川の流れ、森のいぶき。本で見ても細かいなーって思うけど、原画だと本当に細かくて、見ているだけで気が遠くなってくる…。墨で塗られているのを見ると、森の奥に現前する闇の深さを感じる。勿論点描はすごい。濃い点描薄い点描、グラデーションになってる点描。そしてそこにさらににミリ単位で施されている修正。点描数個を消して足して微調整。すさまじい。「え、これ写真じゃなかったの?描いてるの!?」って驚いてる人がいた。描いてるんだよ!
水木先生のキャラクターの手とか小さいキャラのくにゃっとした線がなんとも言えず好きなので、それが若干大きく見られたのが個人的に楽しかったです。
生原画が展示される機会は今後減るらしいよ…と今回グッズのデザインしてる祖父江慎さんが言っているので*2、ちょっとでも興味のあるかたはこの機会に見に行って見られるといいかも。

*1:なので今回図録はなし

*2:理由はよく分からない。水木作品の原画に限っての話なのか、漫画界全体の事なのかもよく分からないけれど