興行師たちの映画史

興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史

興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史

とてもとても楽しく読みました。こういう話大好き。
勃興期の映画は専門の映画館などないから基本は一回ずつ、巡回式の映画だった。つまり映画を見せ物=興業として見て、その流れでエクスプロイテーション映画=観客をとにかく映画館に呼び込む事を目的にした映画について。人間の欲望の根本に何があるかが分かる。
興業というものが闇をはらむのは、人間の欲望とダイレクトにつながっているからだ。そこは人間が人間である限り、ずっと変わらないだろうと思う。

映画批評で見聞きする「これは映画館で見た方がいい」という作りも、エクスプロイテーションの一環かなあ。最近だと剣岳とか、あと3Dが売りの映画は基本的に興業性に依った作品だよな。あとテレビ放映されたアニメの映画化とかいうやつもその一種に感じる。映画館を利用したイベント中継などの催しが最近増えているのは、映画館がある種の興業性を取り戻そうとしているという事なのか。
完全な個人的な話だが、今年は渡辺文樹監督の上映お知らせポスターをはじめて目撃した記念の年!それもごく近所で!